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シアーズ倒産、洋服好きはちょっと哀愁

こんにちはシュウです。
当ブログをご覧いただきありがとうございます!

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先日130年以上歴史があった小売業のシアーズが倒産しました。


日本に住んでいる方で、シアーズが倒産したのを聞いて、「あのシアーズが…」とか「シアーズがなくなるなんてね…」と思った人はほとんどいないのではと思います。
ただ、洋服好き、特にビンテージ愛好家にとっては、少々哀愁を感じるできごとでした。


日本で90年代から00年代にかけてビンテージブームがありました。(当時のビンテージとは大体70年代以前に作られた洋服)。LevisやLee、Wranglerといった3大デニムメーカーが高騰した時代でした。ビンテージマニアはこれでは飽き足らず、ストア系ビンテージと呼ばれるアイテムを好んで買い集めていました。このストア系ビンテージを作っていたのが、当時の「シアーズ」や「JCペニー」といった大手小売業でした。今でいうプライベートブランド、イオンのTOPVALUEのようなものです。


シアーズであれば「Heracules」や「Roebucks」、JCペニーなら「BIGMAC」や「PAYDAY」です。


もちろん私も当時散々買い集めた口で、給料のほとんどを突っこんでいた時期もありました。その後ほとんど売却しましたが…。写真は私が所有する数少ないシアーズの製品です。確か60年代製だったような気がします…。

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当時ビンテージマニアだった人間からすると、「あのシアーズがね~」なんて思うわけではなく、実際には「シアーズってまだあったんだ!」とびっくりした方の方が多いのではと思います。


こんなこともありシアーズの倒産と聞いたときは、ちょっと哀愁を感じてしまったわけです。


■日本にも影響を与えていたシアーズ


戦後から70年代くらいまで隆盛を極めました。


日本の小売業もダイエーを筆頭として、イトーヨーカ堂やイオンといったGMSシアーズを手本にしました。


軍事のロジスティックスをベースにした当時としては革新的なチェーンストアの仕組みを作ったからです。


シアーズ歴史


ウィキペディアよりお借りしました。

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~70年代くらいまで隆盛を極めたシアーズですが、その後は凋落していきます。


品質の向上と割安な価格を武器にしたPBで中小小型店、いわゆるパパママストアを駆逐して店舗を拡大していきます。


80年代に入ると、海外に生産拠点を持つSPAメーカーの攻勢を受けて凋落がスタートします。最初はGAPをはじめとしたアパレル専門店チェーンでした。


主にアジア圏から輸入をしていました。高金利のドル高で米国製が割高になったのです。品質についてはアジア製はそれなりだったはずですが、当時の米国製を見ても品質はそれほど高くなかったので、人々は使用に耐えうる品質があれば割安な方を選んだのでしょう。


この後ホームデポやトイザラスといった、いわゆるカテゴリーキラーが台頭してきます。もう一つ大きな流れがロワープライスの、ウォルマートやターゲットの出現です。
シアーズの一つ一つのカテゴリーのスペシャリティストアの出現と、SCMの革命によって品質の向上とプライス低下を同時におこしたPB製品の登場によって、シアーズは実店舗の客数が奪われていきます。


更に00年代に入ってAmazonといった全く新しいECプラットフォーム企業が出現します。これによって屋台骨であったカタログ通販の売り上げも激減します。


~70年代までコストパフォーマンスの高いPB戦略で繁栄したシアーズでしたが、その後SPAの出現により更なるコストパフォーマンス上昇とEC企業の技術革新についていけず、歴史に幕を閉じることになります。


■歴史は繰り返す


このシアーズの話どこかで聞いたことがないですか?


日本も同じような歴史を歩んでいます。ダイエーやマイカルが中小小型店を駆逐して勢力を拡大しましたが、衣料品をはじめとするSPA企業のカテゴリーキラー群、利便性ではコンビニに客数を奪われて倒産しました。


GMSの強みの一つである食品部門。PBの改善によって売り上げが伸びているようです。生鮮部門はECの苦手とする分野ではありますが、アメリカではECで生鮮食品を購入するのに抵抗がない層も増えているとのことです。


百貨店も今や旧時代の名残のような業態ですが、食品と催事部門でなんとか生き延びています。たまに駅直結の百貨店をみますが、盛況なのはデパ地下と物産展等を開催している催事のフロアだけです。ちなみに催事フロアは各地の物産展が定期的に開催されていますが、一番集客があるのは北海道物産展です。


■物やサービスを売ることの難しさ


栄枯盛衰の歴史を見るまでもなく、物やサービスを販売している方からすれば、その難しさは身をもって体験しているはずです。


店舗の人間は思っていても言いませんが、予算獲得のプレッシャーかけられ続ける中で、もっと売れる商品にしてよ、と常日頃思っています。但し作ってしまった商品は消化しなければ売り上げにならないので、いわゆる本部は店舗の接客が…、陳列が…、という部分に目を向けます。世の中の大半の企業はこうして本質的な部分に目をつむりながら、ごろごろ日々回っているのです。


必ず栄枯盛衰は訪れますので、投資するならワイドモート企業、日々ワイドモートになろうとしている企業に魅力を感じます。


投資は自己責任!楽しく長い道のりをいきましょう!