たばこ市場は確実に衰退産業、但し投資したい業界だと思うわけ
こんにちは、シュウです。
当ブログをご覧いただきありがとうございます!
個別株投資をはじめたわけですが、指針としては、
「高配当株」
「連続増配」
「ワイドモートでディフェンシブ」
「VYMよりも配当利回りが高いこと」
としました。
まず思い浮かんだのが、タバコ業界。この業界は新規参入が少なく、営業利益率が高いので、非常に儲かる業界です。但し、健康被害があるため各国の規制の対象となっており、政策次第では大きく利益が減少するのがリスクです。つい先日もアメリカでメンソールタバコの規制が報道されていました。
この週末はたばこ業界を調べてみました。
■喫煙率の推移
先進国の喫煙率推移です。社会実情データ図録さんよりお借りしました。
どの国も喫煙率は低下傾向です。喫煙率を低下させようと先進国で様々な規制をかけている効果が出ているようです。
それ以外の国はどうでしょう。SWIさんよりお借りしました。
アフリカの喫煙率は低いですね。
世界の喫煙率推移です。SWIさんよりお借りしました。
先進国では低下傾向ですが、新興国では増加しています。
■各国規制状況
日本は世界のタバコの規制から見れば、かなりユルイと言われています。
まずはびっくりするのがタバコのパッケージ。オーストラリアのは徹底されていて、タバコは健康被害があるものということが伝わるパッケージに統一されています。オーストラリアだけの話ではなく、カナダやニュージーランドでも同様です。
オーストラリアのパッケージです。
日本ではJTのロビー活動が強力でなかなかこういったパッケージにはならないのでしょう。
税金も高いのが特徴です。
20本入りの1箱価格です。
・オーストラリア 約1933円
・イギリス 約1470円
・カナダ 約1111円
・フランス 約1060円
・スイス 約1052円
・スウェーデン 約978円
びっくりするほど高いです。オーストラリアまでの価格になったら、庶民は手を出せないですね。
■たばこ業界シェア
一目でわかる業界別市場シェアさんよりお借りしました。
1位 中国国家タバコ専売公社
2位 フィリップモリス
3位 ブリティッシュアメリカンタバコ
4位 JT
基本的にほぼ変動がないです。見事に各社平行線です。1位の中国国家タバコ専売公社ですが、中国での独占販売で他を圧倒しています。
ちなみに世界のタバコ市場規模は2014年度で約80兆円。各社の売り上げ推移があまり変動がないことを考えると、現在も大体このくらいと予想できます。各国の規制を見る限り今後は徐々に減少していくでしょう。
■たばこ企業業績
タバコ業界のシェアで見てもらった通りM&Aが進み、ローカルの小さなメーカーはありますがほぼ4社の寡占状態。
こういった衰退産業は競争が終わっているため、寡占している企業が残存者利益を得ていることが多いです。
各社営業利益率です。
・フィリップモリス 40%程度
・ブリティッシュアメリカンタバコ 35%程度
・アルトリアグループ 45%程度
・JT 25%程度
かなり高い営業利益率です。JTが見劣りするのは食品事業が入っているからでしょう。
営業キャッシュフローマージンです。
・フィリップモリス 30%程度
・ブリティッシュアメリカンタバコ 30%程度
・アルトリアグループ 30%程度
・JT 17%程度
日本だと15%を超えると優秀と言われることを考えると、その高さが分かります。
衰退産業で寡占状態のタバコ業界は生き残ったプレーヤーたちが、多くの残存者利益を得ているのが分かります。設備投資もそれほど必要ないので、多額のフリーキャッシュフローも生まれます。
■まとめ
各国の規制の強化で先進国では喫煙率は徐々に低下傾向。衰退産業に入っていると考えられます。
今後は新興国と先進国の中でも規制の緩い日本やギリシャ、東欧諸国での戦いになっていくでしょう。
またタバコの種類別消費量では、紙巻タバコが徐々に減少傾向、加熱式タバコが上昇傾向です。国内のタバコ市場では2020年には30%を超える資産も出ています。
衰退産業であるたばこ産業ですが、生き残っている各企業は多額の利益を得ています。今後も規制は厳しくなるでしょうが、アルトリアグループ以外は戦場を移しながら利益を維持していくでしょう。
もしくは規制の網を潜り抜けるような商品を発売したり、規制を遅らせるような活動を行うかもしれません。
というわけで、最初に投資する業界は決まりました。
投資は自己責任!楽しく長い道のりを行きましょう!